第7回むつき庵はいせつケア実践報告会 報告06 [特別賞]
第7回むつき庵はいせつケア実践報告会 特別賞 受賞
株式会社ふくえん ふくえん熊本 北 博士さん
4月おむつフィッター2級B講座時に約20名と「日常業務において、相談や意見交換を遠慮なく行え、考えられる場所」としてグループLINEを作る。
H28.4.14 P.M9:26頃 熊本県益城町付近を震度7の地震発生。
H28.4.16 A.M1:25頃 再度 熊本県益城町・西原村付近を震度7の地震発生
・4.15 避難所となった益城町総合体育館にオムツ等の不足を予想し、社内のオムツサンプル等を届け被害現状の把握を行う。
・4.17 LINEを通じ、仲間からのオムツ支援の申し出があるが、流通が無く受け取りが出来ない現状の中で、中継地の申し出もあり4.20無事に受け取り物資不足の避難所や施設に送り届ける。
・4.22益城町の要介護者のいる避難所(広安小学校)へ、茨城より仲間が駆けつけてくれる。 Etc…
(主な活動地域、益城町避難所「ミナテラス」 避難人数、最大時期で約500名 高齢者率約60〜70%)
一部の避難所にて、「オムツはまだ使いたくないが避難所の環境(学校が避難所となっている場合は和式トイレが多くしゃがめないので不便・トイレまでの距離が遠いetc…)により、漏らしてしまった事もある」との声も聞きました。オムツに対しては「良く分からない」=「使いたくない」という高齢者さんが本当に多く、誤解もある方も多いです。そこで、避難所の物資の支給を行っている行政の職員の方に相談して、オムツは手に取れる様に展示して触ってどんな物なのか知ってもらってから支給を行うという方法を行いました。(軽失禁パッドの導入や、簡単ですが職員さんへのオムツ説明等も同時に行った)
上記の取り組みによる結果としては、「何が必要ですか?」とただ聞くだけだった受け渡し方法から、どんな物か手で触れて選択する事が出来る事で物資を貰っていく高齢者さんが増えたとの事でした。(特に、軽失禁パッドやパンツタイプ紙オムツが多く消費されていた様です。)
避難所でのオムツの展示方法は、おむつフィッター研修でむつき庵を見学していたから思いついた方法であったと考えます。
避難所でオムツを利用する方が増えた背景としては「漏らす事」より「オムツ」と言う極限の選択を迫られた「やむおえず」の結果なのだろうと思います。地震発生後の避難生活では「その人らしい」生活が確保される事は難しい事とは思いますが、緊急の対応により自尊心を繋ぎ止める事で、「その人らしい」生活を今後取り戻していける様に継続した取り組み(仮設団地のサロンでの活動等)を今後も行って参りたいと思います。