『第15回むつき庵はいせつケア実践報告会』 ―おむつフィッターⓇの実践から学ぶ―のご案内
『第15回むつき庵はいせつケア実践報告会』 ―おむつフィッターⓇの実践から学ぶ―のご案内
「第15回むつき庵はいせつケア実践報告会」を2025年10月25日(土)ラボール京都2Fホールにて開催します。今回は8名の実践報告を予定しています。
記念講演は家族社会学が専門の春日キスヨ氏(元松山大学大学院人文学部教授・「高齢社会をよくする女性の会・広島」代表)に「超高齢家族の現在~夫婦二人家族の問題」などについてお話ししていただきます。
春日氏は『百まで生きる覚悟』、最新刊『長寿期リスク 「元気高齢者」の未来』(共に光文社新書)を著しておられ、丁寧な聞き取り調査を通して現在の超高齢者の暮らし、そこから見えてくる課題を提示されています。この超高齢社会の実態、考えていかねばならないことなど、とても示唆に富む内容です。
日時:2025年10月25日(土) 10:00~16:30
会場:ラボール京都・ホール(2階)
定員:120名
講 演 春日 キスヨ 氏
( 元松山大学大学院人文学部教授 「高齢社会をよくする女性の会・広島」代表 )
「長寿期リスク 元気高齢者の未来」(仮題)
✰✰第15回むつき庵はいせつケア実践報告会への参加お申込みはむつき庵へメールまたはFAXにて申込書をお送りください✰✰
むつき庵 FAX📠 075-803-1123
メール hsk@mutsukian.com (平田) uchida@mutsukian.com (内田)
「第15回むつき庵はいせつケア実践報告会」申込書
☆☆「第14回はいせつケア実践報告会にようこそ」 代表浜田きよ子のご挨拶から <2024年11月9日(土)開催>
私たちは2004年からおむつフィッター研修を始めました。その頃は、研修を受講してくださる方々がおられるのだろうかと不安でしたが、今年の9月、おむつフィッター3級修了生が1万人を超えました。こんなに多くのおむつフィッターが各地に存在すること、それは排泄ケアをよりよく変えていく力になります。そして現在もさまざまな形でつながっている受講生の方々は大勢います。
今年5月にはむつき庵認定講師※の方々とともに、「老いに伴走する排泄ケア」を上梓いたしました。認定講師の方々と内容を議論し、それらを何とかつないで完成したこの本は、これまでにない「ケアを受けるその人」が中心となるひと味違った著作です。様々な専門性を持つおむつフィッターさんたちの力とつながりを感じました。
元旦、能登は大きな地震に見舞われました。どのように支援を行っていけばよいのかと逡巡していたころに、北陸のおむつフィッターのメンバーと連絡がとれて、被害の一端を知ることができました。そして何が必要かを尋ねたうえで、福井のおむつフィッターさんは支援物資を氷見まで届けてくださいました。その後、何度か石川県に行き、私たちには地域の様子や必要な支援を伝えてくださっています。
10月のおむつフィッター倶楽部の研修ツアーは、宮城県の石巻に行きました。東北の大震災から13年が経ち、一見しただけでは町はかなり整備されているように見えます。でも家族を失ったり、親がアルコール依存症になったりして、大変な暮らしを強いられている子どもたちはまだまだ大勢います(もちろん大人も大変なのですが)。伊勢みゆきさんは高校生や若者たちを支援するために、しゅろハウスという家を石巻で運営されています。私たちはしゅろハウスを訪問し、震災後の若者たちの様子や行っておられることなどを伺いました。また震災のとき、石巻市立病院におられた及川敦子さんから、当時の様子そして今に続く活動を伺いました。心身の回復は容易ではありませんし、何よりその大変さは見えません。このようにお話を伺うなかでやっとそれに気づきます。改めて各地におむつフィッターさんたちが居てくださることで、互いに連絡を取り合えたり、知ることができたりする、その重要性を感じました。
排泄ケアを変えていく力、互いが何らかのかたちでつながっていく力、おむつフィッター研修の醍醐味はそんなところかもしれません。そして私にとっては、この研修での出会いにより、支えられていること、嬉しいことがたくさんあります。
秋の一日、この会場にお越しくださり、本当に有難うございます。学びや気づき、そして同窓会でもあるこの一日を、楽しんでいただければと願います。
※おむつフィッター1級の上位資格で、厳しい審査を経て講師資格をもつ人
★★「第5回むつき庵はいせつケア実践報告会」 代表浜田きよ子のご挨拶から<2014年11月15日(土)開催>
排せつケアは病気や障害など様々なことにより、快適な排せつが困難になった人を支援するものです。そのためには排せつのメカニズムやケアの技術、また福祉用具や住環境整備など多くの知識を必要とします。では知識を深めればよい排せつケアが実現するかというとそうもいかないのです。
「トイレに行こう」と人を誘う言葉やおむつのなかで排せつせざるを得ない人へのおむつ交換などは、おそらく知識や技術と同じくらい、「そうはできないと知りつつもその人に身をおいてみる」という視点も大切です。そしてこれが簡単ではありません。
しかもその評価?は専門職の方がするのではなく、ケアを受けている方々からいただくものです。それを踏まえつつ、私たちはおずおずと未熟な自分のケアを相手に差し出すしかありません。でもそれを重ねていきたいと私は思っています。そして人が気持ちよく排せつできるために実践を重ねていきたいのです。
この排せつケア実践報告会はそんな気づきのための場です。何らかのかたちで、自身の暮らしや実践に生かしていただければ幸いです。
そしてたとえそんなことがなくても、誰かとちょっと話ができたり、心が温かくなったりするなら、実はそれだけでも嬉しいです。
究めること以上に、他者の暮らしや人生に対して謙虚に向き合う、そんな視点で今後ともどうかよろしくお願いいたします。