設立15周年記念レセプションにご参加ありがとうございました

設立15周年記念レセプションにご参加ありがとうございました

株式会社はいせつ総合研究所は2003年8月8日に設立し、排泄用具の情報館「むつき庵」は11月27日にオープンし、今年15周年を迎えました。
2018年11月7日(水) ホテルルビノ京都堀川にて、これまで「むつき庵」を支えて来て下さった団体・企業さまに感謝を込めて「設立15周年記念レセプション」を開催いたしました。総勢81名の方々にご参加をいただき、皆様からお祝いのお言葉をいただきました。
むつき庵代表浜田きよ子の挨拶に続いて、㈱リブドゥコーポレーション 代表取締役社長 久住孝雄様、ニシキ㈱ 代表取締役社長 栗栖慎治様よりご祝辞をいただいた後、ピップ株式会社 代表取締役会長 藤本久士様の乾杯のご挨拶により和やかに進められました。
ご参加いただいた株式会社サンコー様、バリアフリー展事務局様、王子ネピア株式会社様、白十字株式会社様、ユニ・チャーム株式会社様、カミ商事株式会社様、株式会社近澤製紙所様からお祝辞をいただきました。
社会福祉法人リガーレ暮らしの架け橋 理事長・地域密着型総合ケアセンターきたおおじ 代表 山田尋志様より「超高齢社会における企業の役割」と題して、記念講演いただきました。
おむつフィッター2級の堀惠子さんをはじめとする三味線夢弦塾の皆様による演奏、夢実現サポーターのおむつフィッター1級の江副正典さんによるマジックショーと楽しい時間を過ごしました。
引き続いて、ミニむつき庵なちゅはKOCHI代表 下元佳子様、おむつフィッター倶楽部前代表 小林貴代様、おむつフィッター倶楽代表 三谷香代様よりお祝辞をいただきました。
最後に株式会社はいせつ総合研究所 熊井利將副所長より、16年目への第1歩として、感謝を込めて閉会の挨拶をしました。
「設立15周年記念レセプション」は和やかに楽しく終えることができました。

15周年記念レセプション むつき庵代表 浜田きよ子のご挨拶

本日はご多忙のなか、株式会社はいせつ総合研究所の15周年記念レセプションにご参集くださり、本当に有難うございます。率直に申しますと、こんなに大勢の方々にお越しいただけるとおりませんでした。そのため少々窮屈な思いをおかけしていることと存じます。お許しください。
簡単にこのような会社を設立した経緯をお話しさせていただきたいと思います。と申しますのも、こんな会社なら大きな利益が生まれるなどと思って立ち上げた会社ではないからです。

自己紹介と会社設立の思い
私は団塊の世代の尻尾の時代に大学を卒業しました。そして人の暮らし、とりわけ身体が不自由になったときの暮らし方に、関心を持ってきました。その日々も、その人の人生にとって大切な時間だからです。思えば30年ほど前から、福祉用具や介護に関心を持ち、学び始めました。そして1995年に高齢生活研究所を立ち上げて相談活動を行ってきました。今回ご講演いただく山田先生が施設長をされていた社会福祉法人で、事例検討という現場に関わる機会をいただけたのも幸いでした。
そのなかで最もお答えするのに難しかったのが「排泄」についてでした。と申しますのも、排泄は単に排泄の部分だけではなく、食事の内容や立つこと、座ること、移動や衣服の着脱はじめ暮らしの全てに関わっているからです。でもなかなかその方の暮らしは分かりませんし、家の様子もさまざまです。だからこそ、家のような空間にさまざまなモノが揃っている、おむつ類もポータブルトイレも尿瓶も・・そんなところで排泄の相談ができればどんなに相談者にもよいか。そして私たちにとっても排泄ケアを考えるうえで大きなヒントになると思いました。販売をするのではなく、相談ができておむつなどは見本をお渡しできる、そんなところがあれば、と願ったのが排泄総合研究所の始まりです。

株式会社にしたこと
思えば全く収入を見込めない会社でしたから、NPO法人で始めても継続できないと思いました。そこで当時親しかった会社に相談させていただきました。勝手なことで、利益誘導などはしないけれど、このような場所があれば排泄ケアが変わっていくのではないか。是非とも力になってほしいと。それも一つの会社だけではなく、布おむつメーカーさんや福祉用具を扱っている会社に声をかけて、4社が出資をして、排泄総合研究所は誕生いたしました。
そして排泄用具の情報館むつき庵をオープンし、山のような相談を受けるなかで、感じたこと、それは排泄ケアの専門家の不在でした。

相談を受ける中で、感じた排泄ケアの専門家の不在
高校の先輩でもあり、10周年の折にもご講演していただいた京都市立芸術大学学長鷲田清一先生はその著書「ケアの宛先」のなかで、

「近代の学問の危うさというのは、宛先がないことである。学問とはありとあらゆる人に普遍的に客観的に妥当するものではないといけないとされている。それしか科学の名に値しないと。しかし、ケアとは誰かに当ててするものであり、宛先が必要なものである」と述べられています。

普遍的なケアではなく、暮らし全体から考えるケアを!→おむつフィッター

私は普遍的なケア技術以上に、その人の状態から判断できるケア職が必要ではないかと感じました。つまりケア現場での議論「胃婁増設が是か非か」「おむつはNGかどうか」と言った視点ではなく、
その方の暮らし全体から考えて排泄ケアはどうあればよいのか、という視点です。そんな視点で研修を始めたのがおむつフィッター研修です。

小さな会社が始めた研修ですが、医師、看護師、理学療法士、介護士はじめ一般の方までさまざまな方が受講してくださり、現在では3級修了生は7150人となりました。

でも私たちの目的は、研修を行いたいだけのものでもなく、相談だけでもない、まさに多くの方々とともに、人が健やかに暮らし、豊かにその人らしく亡くなる、そんなことの一助になれる会社であることを願います。

その意味で、よりよい介護ではなく、どのような障害や病を抱えても、その人らしく生きるという、「暮らしのかたち」をともに考え、実行していきたいのです。
大きなことを申しましたが、こんなことを実現するには、たくさんの方々のお力が必要です。

こんな小さな私が、楽しい、幸せな15年を過ごさせていただいたこと、そのお礼と、これからも、コツコツと精進を重ねていきますので、どうぞよろしくお願いいたします、ということをお伝えしたく、簡単ではありますが、ご挨拶とさせていただきます