『第12回むつき庵はいせつケア実践報告会』ご参加ありがとうございました

『第12回むつき庵はいせつケア実践報告会』ご参加ありがとうございました

11月19日(土)ラボール京都2階ホールにて、「第12回むつき庵はいせつケア実践報告会」を開催しました。
コロナ禍拡大の第8波の兆しのもと、まだまだコロナ禍の先行きは見えませんが、丁寧な感染対策をとって開催することが出来ました。当日の参加者は講演・報告者スタッフも含めまして総勢67名の方々がお越しくださいました。

排泄ケア大賞には「地域全体で排泄問題を支援する『おむつ選びの専門家』の誕生」と題して、なごや福祉用具プラザ排せつチームを代表して発表されました日髙明子さんが受賞されました。杜撰なおむつの選択は介護を必要とする人の心身を損ない介護をより大変なものにします。そこでおむつを販売する方々がおむつについての知識を持つことが大切と気づき研修を実施し、名古屋市内においておむつ選びの専門家が誕生するまでになりました。排泄ケアについて適切な助言相談ができる場所が増えることは暮らしの継続につながります。この素晴らしい取り組みに対して最も高い評価が贈られました。
排泄ケア特別賞には、「研修で学んだ事による仕事や意識の変化について」と題して発表されました医療法人社団陽光会南あたみ第一病院看護助手・介護福祉士の土屋有理さんが受賞されました。一日をベッド上で過ごす患者のことを考え、他の職員とともにプライバシーの保護やおむつの使い方などケアの見直しを行い、安全安楽な療養生活のために病棟全体で観察することと変化に気づくことを習慣とされたことは重要な取り組みです。適切な言葉を選び互いに注意し合える環境作りと患者の気持ちに近づこうとするその素晴らしい取り組みが高く評価されました。

発表された6組のいずれの実践報告も素晴らしく、回を重ねるごとに発表される内容のレベルが向上していますことをあらためて実感するものです。人をみる視点の大切さを学び、人間の尊厳に深く関わる排泄に理学療法士として真摯に向き合われた実践。地域の医療・介護に従事する方々への支援に向け多角的な調査を実施され、緻密な考察がおむつフィッターの必要性に留まらず地域の方々の多岐にわたる排泄の困りごとを導き出した実践。何でもない日常を大切にするお母さまが望むかたちで最期の時を過ごすことを支えていく、状態に合わせた用具や方法の工夫、多職種の連携、地域でのつながりの必要性に気づかれたこと。人に見られたくないできることは自分でしたい、そんな思いに気がつかれ向き合われたこと、できない部分を支えるケアを周りの人と模索し連携し行うことの積み重ねの取り組み。どれも聴きごたえのあるもので、会場からは、「年々発表が深く、素晴らしいものになっている」という感想を多数いただきました。

ご講演は住生活のあらゆるシーンに役立つ商品の企画開発をされ、利用者のニーズに応えている株式会社サンコー専務取締役の山崎雅史さんに「サンコーの経営理念~人の心に貯金する~」と題してお話ししていただき、参加者の皆様に大きな学びと共感をいただきました。山崎さんは大阪あべのハルカスを拠点に活動している社会人落語の会「落語工房・小素人連」代表、芸名、夢屋 風六(ゆめや ふろく)として活躍され、演目「トクさんトメさん」と題して小噺とともに本格的な落語をご披露頂きました。間合いと言い皆さんの関心に応えてテンポよくお噺しされていることに流石ですねと感動の声が寄せられていました。
おむつフィッター倶楽部は2014年に設立されて現在700人を超える方が会員登録され、バリアフリー展や実践報告会などむつき庵の活動を支えて下さっています。世話人の中本さんのご挨拶で、おむつフィッター倶楽部の活動を楽しい動画にまとめて上映しました。
日本医師会赤ひげ大賞を受賞されました市川晋一先生が来賓として秋田からお越し下さりました。実践報告されたお一人お一人に素晴らしいコメントをいただくとともに、参加された皆様に来賓として先生のお元気なご挨拶をいただきました。
この会に集ってくださいましたお一人おひとりが、介護とは介護される方と介護する方の間にあるもの、介護される方に真摯に向き合い、多職種が連携し合って、ケアの有り様について気づきを分かち合う、人と地域のつながりと、これからの課題を見出せたように思います。
最後におむつフィッター倶楽部世話人代表の三谷香代さんが閉会のあいさつをされ、恒例となりましたお楽しみ抽選会を行い和やかなうちに終えることが出来ました。


「第13回むつき庵はいせつケア実践報告会」は来年2023年9月末頃の開催を予定しています。楽しく充実した中身を準備していきたいと思います。来年もよろしくお願いいたします。
なお、当日の実践報告と表彰式の様子を録画しましたので、YouTube「むつき庵チャンネル」にて動画配信をして多くの方にご覧いただける様準備を進めております。準備が整い次第YouTube「むつき庵チャンネル」にアップさせていただきますので、楽しみにお待ちください。

第12回むつき庵はいせつケア各賞

第12回むつき庵はいせつケア大賞
「地域全体で排泄問題を支援する『おむつ選びの専門家』の誕生」
なごや福祉用具プラザ 排せつチーム
日髙明子さん 力武まゆみさん 片桐美枝さん 髙野郁美さん 廣瀬直子さん
第12回むつき庵はいせつケア特別賞 療養生活改善優秀賞
「研修で学んだ事による仕事や意識の変化について」
医療法人社団陽光会 南あたみ第一病院
土屋 有理 さん

(以下発表順)
第12回むつき庵はいせつケア 排泄ケアの学びを深め 一層活躍されるで賞
「『高齢者の尊厳』を考えた排泄ケア」
元気寿会地域密着型特別養護老人ホームゆとりの郷
林 恭子 さん
第12回むつき庵はいせつケア おむつフィッターの鑑となる地域活動実践優秀賞
「地域におけるおむつフィッターの認知度と今後の活動課題」
安芸地区医師会熊野町訪問看護ステーション
小林 比呂美 さん
第12回むつき庵はいせつケア 排泄ケアの学びを深め 一層活躍されるで賞
「おむつフィッター2級研修を受けてからの私」
訪問看護ステーション ナオビッグ
安田 英昭 さん
第12回むつき庵はいせつケア 互いの心に灯をともす 暮らしを支えるケア優秀賞
「もう一度母と過ごせた日々」
JR九州旅客鉄道株式会社 小倉駅
平 八重子 さん